適切なメンテナンスで長く大切に
痛んだ茅の修繕に欠かせない「差し茅」
自然の素材をそのまま使用した茅葺屋根は、定期的なメンテナンスの実施で、より長く大切に使い続けていくことが可能です。そんな補修の1つが、茅葺屋根の痛んだ部分を取り除いて新しい茅を葺いていく「差し茅」です。屋根の内側まで傷んでしまう前に行う部分的な補修作業で、およそ10年に1度くらいが目安になります。差し茅を定期的に行なうことで屋根としての機能を保つのが、茅葺屋根なのです。
差し茅のタイミングを知って賢く補修
差し茅の適正なタイミングを知っておくことで、無駄なコストをかけることなく、茅葺屋根を維持することができます。そのポイントは、大きく3つあります。1.茅葺に雨道ができはじめた頃。雨道ができると、その部分から雨仕舞いが悪くなります。2.茅葺に苔が生えた頃。苔は常に水分を保つため、茅葺を腐らせる原因になります。3.茅葺に植物が生えた頃。自然の素材である茅葺屋根は、放っておくと木が生えてしまうことも。そうなるいと修繕も大がかりになってしまいますので、早めに処置がオススメです。
施工手順
新しい茅の搬入
差し茅は部分補修ではありますが、大量の茅が必要となります。そのためかつての茅葺の民家では、茅を毎年少しずつ刈り取ってストックすることが年中行事として行なわれていたほどです。
古い茅を叩き落とす
ガギという道具を使って、古い茅を叩き落とします。このとき、苔などがついていれば削り落としておきます。
切り茅
茅を細さ、長さ、強さなどの特性に合わせて、使う場所ごとに1束ごとに小分けにしておきます。
茅を差し込む
押え竹に縄を結び、竹をつけて足場にしていきながら、痛んだ茅を抜いた部分に新しい茅を差し込み、ガギで茅を叩き入れます。
刈り込み(仕上げ)
仕上げとして刈り込みながら、足場を外していきます。差し茅をした後は、古い茅と新しい茅の横縞があらわれます。